台風19号多摩川水害訴訟原告団・団長
川崎 晶子
多摩川の恵みを次世代に引き継ぐ
ためにも裁判にご協力を
多摩川の河川敷は憩いの場、大切な場所です。古くは果物の生産、岡本かの子の文学など川崎ならではの文化とくらしを守り育ててきた多摩川。暴れ川と呼ばれ、アミガサ事件など水害と向き合った歴史があります。山王排水樋管が設置されたのは1964 年、住民運動によって作られました。先人に学びつつ、裁判を通じて地域の人と共に安心安全の街を次世代にバトンタッチしたいと考えています。
台風19号多摩川水害訴訟弁護団・団長 弁護士
西村 隆雄
ゲート閉鎖を怠った
川崎市が引き起こした人災
台風当日は多摩川上流部の強雨と小河内ダムの大量放流により、多摩川水位が急激に上昇。多摩川の過去最高水位越えの予報が出され、住宅地でマンホールから泥水が噴出するのも確認されていたにもかかわらず、川崎市は、一貫して排水樋管ゲートを閉鎖しなかったため、逆流による甚大な被害が発生したのです。本件は、まさに人災というべき事件で、川崎市の責任は明らかです。
この裁判の概要と意義
・台風19号多摩川水害川崎訴訟は、2021年3月9日に72名の原告が川崎市を被告として、慰謝料共通100万円、損害賠償合計約2億7000万円を求め、横浜地方裁判所川崎支部へ提訴したものです。
この裁判には、原告(被害者)の失った利益の回復と、増水する河川が排水樋管から逆流するのを防ぐためにゲートを閉じるという、基本的な責任を怠った川崎に謝罪を求める事と同時に、「再発防止」の具体的施策を求める意義があります。
詳しくは、弁護団事務局長・川岸卓哉弁護士がまとめた「提訴の報告」(ブログ記事)をご覧ください。(川崎合同法律事務所公式サイト内)
・2019年台風19号多摩川水害(市内5か所の排水樋菅地域)の被害を受けた方は、現在行われている裁判で家屋・家財等の損害賠償と被害者個人に対する慰謝料を川崎市に求める事ができます。
今後も随時原告の方を募っていきます。まずはお気軽に【お問合せ】のページから[弁護団・原告団]または[多摩川水害を考える川崎の会]までお問い合わせください。詳しくは担当弁護士よりご連絡いたします。
・この裁判が、多くの市民に注目されていることを示すのは、傍聴者の人数の多さも目安になります。裁判官に公正な判決を求め、「たくさんの市民が、関心を持ってこの裁判に」注目していることを、大勢の傍聴で裁判官に示すことができます。傍聴は簡単です。このホームページでも裁判日程をご案内していますので、裁判所(横浜地裁・川崎支部)まで、気軽にお越しください。
・この裁判の大切な目的のひとつに、同じ被害を繰り返させないことがあります。【台風19 号多摩川水害を考える川崎の会(略称:水害の会)】では、2019年の水害発生直後から被災地域の住民を中心に呼びかけ、川崎市への要望書や市議会への請願などを通じて原因究明と完全賠償、再発防止を求めてまいりました。水害訴訟が続いているいま、問題の全面解決のために原告団を支援し、川崎市が自然災害と正面から向き合う自治体となるよう、様々な住民・市民団体と力を合わせていきます。みなさまの参加をお待ちしております。
台風19号多摩川水害を考える会・事務局 長谷川 淳
住民の暮らしや命守る責任に川崎市は気付いてほしい
被害は我が家から30~40メートルほどの距離まで迫っていました。台風一過のあの日、必死に泥掻きをする「ご近所さん」を見て見ぬふりは、私にはできませんでした。そして間もなく川崎市の対応の異常さに気付くことになりました。この裁判は、あの日被災せずに済んだ住民の未来を守るためのものでもあると、多くの方に知っていただきたい。